高血圧
心臓は収縮と拡張を繰り返すことによる強い圧で、血液を全身に送り出しています。この圧のことを「血圧」と言います。圧がもっとも強まる収縮期の血圧を「収縮期血圧」「最高血圧」、もっとも弱まる拡張期の血圧を「拡張期血圧」「最低血圧」と言い、この数値が片方、あるいは両方とも高い状態を高血圧と言います。 高血圧そのものには症状がないと言われていますが、人によっては頭痛や頭重感(頭が重い感じ)、のぼせ、耳鳴り、肩こり、動悸といった症状(随伴症状)が起こってくることがあります。
高血圧に漢方薬で対処する!
漢方薬には直接血圧を下げる作用はありません。ですから、高血圧の治療ではやはり西洋薬の降圧薬が第一選択となります。では、漢方薬は高血圧の治療で使われていないかといえばそうではなく、随伴症状を改善するために利用されています。
漢方は先人たちの経験をもとにできあがった医学なので、高血圧のように血圧の測定結果から病名を特定して、薬を処方することは基本的にはありません。しかし、頭痛や耳鳴り、肩こり、動悸など患者さんの訴える症状に対しては、さまざまな漢方薬が使われてきました。 現在も、高血圧の随伴症状を改善する薬としていくつかの漢方薬が用いられています。どの薬が適しているかは、患者さんの体質(暑がりや冷え症などや「実証・虚証」、「気・血・水(き・けつ・すい)」という漢方の考え方に 基づく)、症状などによって変わってきます。
たとえば体格ががっちりした「実証」の人には、大柴胡湯(だいさいことう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などが、ストレスを抱えている人には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)や釣藤散(ちょうとうさん)などが用いられています。
◆高血圧の随伴症状の治療に用いられることが多い漢方薬 実証 大柴胡湯(だいさいことう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)など 虚証 釣藤散(ちょうとうさん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、真武湯(しんぶとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、七物降下湯(しちもつこうかとう)、防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)、抑肝散(よくかんさん)など
高血圧を予防しよう
軽い高血圧や予防の為という目的なら、薬草茶や民間薬を毎日飲むのもとても良い健康法です。それぞれには強い降圧作用は期待できませんが、長期服用で血圧の上がりにくい体質にするのに役立ちます。 高血圧に使う代表的な薬草を以下にいくつか挙げます。 ・柿の葉 ルチンやタンニンを多く含み血管強化に役立つ高血圧用のお茶の代表です。 ・ルイボス茶 抗酸化作用があり動脈硬化気味の方に良い美味しい茶です。 ・ドクダミ 便秘気味の高血圧の方には特に良いです。 ・クコの葉 血圧には実でなく葉のお茶が効果的です。 ・いちょうの葉 これも抗酸化作用があり動脈硬化気味の方に良いお茶です。
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