月経不順
女性は思春期から閉経にいたるまでの間で、妊娠、授乳期以外は定期的に排卵と月経(生理)を繰り返します。このサイクルのことを「月経(生理)周期」といい、これが規則的にならなかったり、月経の量や期間が一般的な状態から極端に外れたりしている場合を、「月経(生理)不順」と呼んでいます。思春期や閉経前の更年期は、からだが大きく変化することから、月経不順になるのはむしろふつうですが、それ以外で月経不順になっている場合、排卵障害が起きていたり、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が関係していたりすることもあります。放っておくと不妊症の原因になることもあります。
漢方で月経不順に対処する!
漢方医学では、昔から月経と女性の不調との関係について注目しており、月経が乱れる原因とその治療法について、さまざまな研究がなされてきました。ちなみに、昔は月経のことを月水、月信、月次、経行といい、月経不順を経乱、頻発月経を経早、稀発月経を経遅、無月経を暗経などといっていたようです。
漢方の考え方のひとつに、「気・血・水(き・けつ・すい)」という概念があります。これは、気・血・水のバランスが取れている状態が心身共に健康であり、これらの1つ、あるいは複数が異常をきたし、3つのバランスが乱れると、病気や不健康な状態を招くという考えです。
月経不順では、「血」の異常にあたる「お血(いわゆる血行不良)」が主な原因であるとされています。ただし、最近はストレス社会を反映しているのか、気・血・水の「気」の異常である「気虚(ききょ:気が不足した状態)」や「気鬱・気滞(きうつ・きたい:気の流れが障害された状態)、「気逆(きぎゃく:気の流れが逆行した状態)」が最初にあり、その気の異常がお血を引き起こし、月経不順を招くというケースが多くなっています。
◆気と血の異常がもたらす症状 血の異常(お血) 〜頭痛・肩こり・腹部膨満感 など 気の異常(気虚・気鬱・気滞・気逆) 〜イライラ・抑うつ症状・不安感・集中力の低下・無気力 など
月経周期
◆正常な生理とは 初経発来:10〜14歳 生理周期(生理初日から次の生理初日までの日数):25〜38日 高温期の日数:14日間 出血持続日数:3〜7日 出血量: 50〜100ml 出血の色: やや暗赤色 痛みはほとんど無いこと 生理的無月経:初経以前、閉経以後、妊娠産褥授乳期の無月経
◆月経異常の定義(日本婦人科学会) 早発性月経:初経発来10才未満 遅発性月経:初経発来18歳以上 原発性無月経:18歳になっても初経発来がない 続発性無月経:これまであった月経が3ヶ月以上停止したもの ただし生理的無月経を除く 稀発月経:月経周期39日〜3ヶ月のもの 頻発月経:月経周期24日以内のもの 早発閉経:43歳未満で閉経するもの 遅発閉経:55歳以降で閉経するもの 月経困難症:月経期間中に月経に随伴しておこる病的症状 月経前緊張症:月経開始前3〜10日位から始まる精神的・身体的症状で月経開始とともに消退・消失するもの
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