乾燥肌
不規則な生活を続けていたり、冷房や暖房のあたる部屋にずっといたりすると、皮膚が乾燥してカサカサになったり、かゆみが出てきたりします。これがいわゆる「乾燥肌(ドライスキン)」で、こうした症状はホルモンバランスの乱れや加齢による変化などとも関係し、年齢とともに強まってきます。 乾燥肌は病気ではありませんが、お化粧ののりが悪くなる、シワが増えて実年齢より老けて見えるなど、女性にとってはとくに気になるもの。また乾燥肌が続くと敏感肌を合併したり、シミができやすくなったりと、さらなる悩みが生じる原因にもつながります。
乾燥肌などの皮膚のトラブルがあると、空気の乾燥や化粧品などの外的な要因が問題だと考えがちですが、案外、体の内側の問題が肌トラブルのもとになっていることがあるものです。たとえば血行状態が良くなければ、皮膚の細胞が必要とする栄養や酸素が不足し、皮膚の新陳代謝が行われにくくなります。
「皮膚は内臓の鏡」という言葉があります。まさに漢方は皮膚の症状から体の中のアンバランスな部分を見つけ出し、漢方薬を用いて修正していきます。アンバランスを改善することで、結果的に皮膚の状態もよくなります。
漢方薬で乾燥肌をやっつけろ!
漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という考え方がありますが、皮膚が乾燥した状態は、このうちの血(血液やホルモンなど)が不足している「血虚(けっきょ)」や、血のめぐりが悪くなる「お血(おけつ」が関係すると考えられています。そこでこの「血虚」や「お血」を改善するような漢方薬が、年齢や体質などを考慮した上で、用いられます。
◆乾燥肌の治療に用いられることが多い漢方薬◆ 四物湯(しもつとう)、きゅう帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)、温清飲(うんせいいん)、当帰飲子(とうきいんし)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など
しかし漢方薬といえども薬ですから、人によってはまれに好ましくない作用が出ることがあります。
味や香りへの抵抗感で吐き気、飲み始めたときにお腹がゆるくなる アレルギー体質の人には、まれに発疹などが出る 効果が出る前に、一時的に悪くなっているように感じる症状がある 吐き気やお腹のゆるみは、慣れればなくなりますので少し様子を見てもよいでしょう。 飲み始めにお腹がゆるくなるのは、漢方薬が効いてきた証拠でもあります。 このように、漢方薬をのみ始めると一時的に症状が悪くなり、その後急速に良くなっていくことがあります。 これを漢方では「瞑眩」(めんげん)といいます。
ただし、その症状が本当に「瞑眩」なのか、もしくは身体に良くない作用なのかは、専門家の判断が必要ですので、自分で「瞑眩」だと勝手に解釈しないで、医師や薬剤師に相談しましょう。
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