こむら返り
ふくらはぎや足の裏、ふとももの筋肉などが突然、強くけいれんして、痛みが出ることを「こむら返り」と言います。ふくらはぎ(腓:こむら)に多いことから、こむら返りという名前が付いたようです。「足がつる」という言い方もします。 こむら返りは運動中にみられる場合と、その他のときに起こる場合があります。後者では年齢が上がるにつれて発症の頻度が増してきます。多くは健康な人にも起こる一過性のものなので、心配ありません。運動をすると起こる人は運動前後にはウォーミングアップやクールダウンをしっかりするようにしましょう。寝る前のマッサージも有効なようです。
漢方でこむら返りに対処する!
漢方の古典『傷寒論(しょうかんろん)』のなかにも記述があるこむら返り。「(前略)芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を作って与えれば攣急(れんきゅう)が治って、足が伸びる」と記載されているように、足のけいれんには芍薬甘草湯がよいということが、昔から知られていました。 最近の研究でも、芍薬甘草湯には筋肉の緊張をゆるめて、けいれんそのものやけいれんで起こる痛みを抑える作用 があることが分かっています。
また、漢方薬は「証(しょう)」に基づいて処方されることが基本ですが、こむら返りの場合は証に関係なく、処方されます。冷えが強い人や高齢者は芍薬甘草湯に附子(ぶし)という生薬をプラスすることもあります。 飲むとすぐに効果が出るため、日ごろ、足がつりやすい人は外出時に持ち歩いたり、まくら元に置いたりしておくとよいかもしれません。
◆こむら返りを改善する漢方薬 ・芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) この漢方薬には「甘草(かんぞう)」という生薬が多く含まれています。脱力感やむくみ、血圧の上昇などの副作用が起こるおそれがあるので、医師の指導をきちんと守って服用するようにしましょう。
足がつる原因
筋肉の疲労 (激しい運動後など) 十分に準備運動をしていない 普段使っていない筋肉に急に力を入れる 運動不足 水分不足 水泳などで冷たい水に長く浸かる マグネシウム・ビタミンEの不足 アルコールの飲みすぎ 嘔吐・下痢・過度な発汗などによる脱水 妊娠 黄砂 硫酸塩エアロゾル 中国の大気汚染物質PM2.5のPAH |