蟻に関する研究は長年の間世界各国で行われ、注目を浴びています。中国の蟻に関する基礎的研究は歴史的には新しいものですが、この10数年来、各関連科学研究機関及び医療機関が力を注いで研究してきた結果、かなりの成果と進歩を得ています。 1988年12月、中国科学協会は学者及び専門家を招き、擬黒多刺蟻の栄養成分について科学的に測定しました。その結果、擬黒多刺蟻の体内の67%は蛋白質で、この他に28種類のアミノ酸、B1、B2、B12、E等8種類の人体に必要不可欠なビタミン、そしてカルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、マンガン等20種類ものミネラルを豊富に含むことがわかりました。その中でも亜鉛の含有量は一番高く、1000グラムの擬黒多刺蟻の粉は実に120〜198ミリグラムもの亜鉛を含み、その含有量は大豆の8倍、豚レバーの3倍にもなります。また、各種酵素、化合物を含んでいます。 ドイツの学者が蟻に含まれる各種酵素を分析した結果、その最も主要な酵素「草体蟻酵素」(C10H1602)は筋肉をほぐし血液の循環を良くする効用があることが発見されました。その効力は、同量の朝鮮人参を超えるほどのものです。また、蟻がその小さい体で自分の何倍もの重さの物を運ぶ力の源は、その体内に含まれる三燐酸腺配糖体という物質であることが発見されました。 中国国内外の研究家達は蟻について更に深い実験と研究を重ね、蟻の製剤は虚損性の病気、神経官能症、リュウマチ、神経痛、痛風、皮膚炎、肺結核、各種肝炎、慢性気管支炎、胃炎、脱毛、若白髪、性的不能、早漏、不妊、生理不順、女性の不感症、産後の乳不足等実に様々な病気・症状に著しい効用があることを証明しました。 中国漢方医学では、腎臓が弱いことは人体の衰えの重大な原因であると考えられています。蟻の注目すべき重用な効用は腎臓を補強し、睾丸と卵巣の重量を増加、各生殖器細胞中のDNA及びRNAの含有量を増加させ、細胞の分裂を促進することにより、人体の性機能を増強します。そして更に、免疫細胞中のDNA、RNAの合成を促進し免疫細胞を増加させることも確認され、理想な老化防止薬であると認められました。そして各内臓器官の発育を促し増強する働きもあり、非常に広範囲に作用する一種の免疫増強剤と言えるでしょう。 そして一番注目すべき事、それはこの擬黒多刺蟻は細胞免疫に対する双方向性免疫調節の作用があることです。低下した免疫機能を向上させると同時に、免疫機能が高ぶっている場合にはそれを調節し、人体のバランスを維持する効用があります。これらの事により、擬黒多刺蟻は科学者達に「小さな栄養の宝庫」「自然の薬品工場」と呼ばれています。今後も人類の蟻についての研究は継続され、その発展に伴い蟻の栄養的価値、薬用的価値も発展し続けていくことは間違いありません。この蟻事業は必ず人類の健康に大きな貢献をするでしょう。 |