低血圧症の薬物療法
本態性低血圧症で症状が強い場合にはまず一般療法を勧めますが、効果がない場合には薬物療法も行われます。しかし、症状の出現には心理的な要因も強く関係していると考えられており、まずは必要以上に心配しないことも大事なようです。
一般療法で症状が改善しない場合は、薬物療法を行います。実際には神経を刺激する作用のある薬や、身体の中の水分を増加させる薬を用います。
■神経を刺激する薬 末梢血管を収縮させて抵抗を高めるとともに、心臓の収縮力を強めたり心拍数を増加させることで血圧を上げる効果があります。
■身体の中の水分を増加させる薬 心臓から拍出される血液量を増加させることで効果を発揮します。
■精神安定剤 心理的な影響による症状が強いと考えられる場合は、精神安定剤を用いることもあります。
起立性低血圧症に対しては自律神経を刺激する薬を用いることもありますが、これは残念ながら効果がないことが多いようです。あまり神経質にならず、ゆっくり立ち上がるように心がけたり、立ちくらみを感じたら少し座って休むなど、自分でできる範囲で対症的に行動するようにしましょう。弾性ストッキングを着用すると効果的な場合もあるようなので試していただければと思います。 |