証とは
証とは患者を一把ひとからげにみるのでなく、ひとりひとりにあった診察や処方をおこなう事を指します。
漢方では病気をみるのではなく、そのひとの今の体調や、もともとの体質、なぜそうなったかの病因などを総合的に分析して判断します。これを証(しょう)と呼ぶのですが、具体的にいうと、「頭が重い」「寒気がする」といった患者自身の主観と、医師の診断によって収集された客観的なものの両方を総合します。弁証して治療をするということから、「弁証論治」と呼び、弁証の方法は下記のようなものがあります。
■八鋼弁証(はっこうべんしょう) 陰陽、表裏、寒熱、虚実という8種類の弁証方法。病気の場所、性質、正気と邪気の強弱などを分析する。
■気血津液弁証(きけつしんえきべんしょう) カラダをめぐる気・血・津液の異常を分析する。津液という概念に馴染みが浅いため、日本では津液を水とし、気・血・水で表わす事が多い。気虚、気逆、血虚、血寒などのほか、気滞オ血、気血両虚などもある。
■臓腑弁証(ぞうふべんしょう) 臨床で弁証をする上でも重要な弁証方法で、八鋼弁証や気血津液弁証を組み合わせ、臓腑の陰陽や気血の変化をあきらかにする。肝気鬱結、心火上炎、脾腎陽虚など。
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